新型コロナの影響により、日本と中国との往来が大きく制限されている状況が長い間続いていますね。みなさんの中にも「早く中国に行きたい」と思っている方は多いのではないでしょうか。日本からでもアプリのビデオ通話などで中国にいる方との会話はできますが、健康状態が思わしくない高齢なご両親やご親族を中国に残している場合は直接手助けすることができず心配になりますよね。
ここでは中国にいるご両親やご親族のリモート診療を離れた場所にいる医師に依頼し、薬も届けてもらえるサービスを紹介していきます。「早く中国に戻って病院に連れて行ってあげたいのに…」と悩んでいるあなたの手助けになれば幸いです。
■微医
現在、中国のオンライン医療大手企業としては、アリババグループの「阿里健康」、京東グループの「京東健康」、平安保険グループの「平安好医生」、テンセントグループの「微医」の4つが有名です。
ここではオンライン医療に特化したスタートアップ企業として登場し、2021年4月に香港証券取引所に中国初のデジタルヘルスケア銘柄として上場申請を行った「微医」を紹介します。
微医は2010年に設立された後、2015年に中国初のオンライン病院を立ち上げ、2019年には公的医療保険で直接決済できる中国初の慢性疾患管理サービスモデルを作りました。現在では2億人を超える登録ユーザーに対して医療・ヘルスケアサービスを提供しています。
微医には中国全土各省市のあらゆる医科分別に25万人以上の経験ある医者がプロフィール付きで登録しており、医師ごとに設定されている診察料を支付宝などのキャッシュレスで支払うことで、電話やビデオチャットを通じてリモート診察を受けることができます。また電子処方箋の発行やオンライン薬局サービスにも対応しています。申込手順は、アプリやホームページから会員登録後、医師を選んで診察予約を行うだけです。
また慢性疾患管理サービスを利用すれば、会員個々の症状に合わせた治療とリハビリ計画の提供および個別アドバイス、オンラインでの継続的な再診と薬の処方・配送、主要なバイタルデータのモニタリングなどのサービスが提供され、これらに公的医療保険を適用して費用精算することも可能です。「微医通」が提供する家庭用医療端末を自宅で置けば、その端末を通じて医師との電話やビデオチャットが可能になり、万一の時には救急ボタンの長押しにより救急センターを呼び出すこともできます。
ただし会員登録の際には中国の携帯番号が必要になるため、日本の携帯番号を持つスマートフォンからの登録はできません。ご両親やご家族の診察料を負担してあげたい場合でも、一旦は中国にいる兄弟や親戚に会員登録して診察予約をしてもらい、診察料はその方経由で支付宝で支払うなどの手順が必要となります。
■徐匯雲病院
「診察を受けるなら、やっぱり公立病院の方が安心できる」という上海の方はこちらがおすすめ。上海市の復旦大学付属中山徐匯雲病院は、2020年2月に公立病院として中国で初めてオンライン専門病院として認可されました。
利用者はこの病院での対面診療履歴がなくても24時間専門医の受診が可能であり、公的医療保険も利用できます。午前中に診療を受ければ、早ければ当日中に処方薬を自宅まで配送してもらうこともできるのです。
利用方法は微医と同様ですが、徐匯雲病院のアプリのメニューから医師をプロフィールで選んで、ビデオチャットを接続して問診が行われます。1回の診察に要する時間は10分前後、処方される薬の受取場所はを自宅か最寄りの指定薬局から選択することが可能であり、すべての支払いはオンラインで行われます。