外国人の私費留学生を対象とした奨学金制度の募集時期は、そのほとんどが春先に集中していますが、民間団体が実施している奨学金制度の中にはこれから募集が開始されるものもあります。
ただ、民間の奨学金制度はその実施団体の性格により、指定校制度や専攻分野、年齢などの条件を設けているところが多いのですが、ここではその中から、
・東京に所在地がある団体が実施しているもの
・応募資格の条件が比較的緩やかなもの
・前回実施時の採用人数が15名以上のもの
に絞って厳選した奨学金制度3つをご紹介していきます。
1.共立国際交流奨学財団奨学金
一般財団法人共立国際交流奨学財団は、国際友好親善ならびに明日のアジアを建設する原動力となるべく人材の育成を図ることを目的として活動している団体であり、奨学金支給だけでなく国際交流支援や寮事業の運営なども行っています。
他の奨学金制度と比べて募集資格の条件が圧倒的にゆるやかであり、指定校制ですが大学院や大学だけでなく短期大学、専門学校等全国300校以上が登録されているのでかなり門戸が広いのが特徴です。
募集資格がアジアからの私費留学生に限られていることは中国からの留学生のみなさんにとって有利ですし、書類選考のみで選ばれますので日本語がまだ流暢に話せなくても躊躇する必要もありません。応募を検討される方は、今年度の募集要項とご自身が在籍する学校が指定校かどうかを確認の上、学校の学務課などにご相談ください。
【奨学金プログラムの内容】
・月額10万円を、採用が決定した年の4月から2年間支給
ただし、財団主催の研修会(年1回、日本国内2泊3日)への参加必須
【2021年度奨学生募集要項】
この内容は前回実施時の内容です。今年度は2021年11月上旬から募集開始の予定ですので、応募を検討される際は必ずホームページから今年度の募集要項を確認してください。
①募集スケジュール:2020年10月19日~2021年1月29日
②応募資格:
・外務省ホームページ内の国・地域区分「アジア」から来日している私費留学生(もちろん中国は含まれています)
③選考方法:書類審査のみ
④採用決定:2021年3月中旬 結果を学校担当者に郵送し、採用者を財団ホームページで公開
⑤募集人数:15名
⑥申込方法:指定校である学校を通じて応募。個人応募はできません。
2021年度の選考結果については、応募者数は非公表ですが合格者は財団ホームページで公開されています。大学院・大学・専門学校から各5名ずつが奨学生となっており、中国人も5名採用されています。
共立国際交流奨学財団奨学金ホームページ
2.(株)共立メンテナンス奨学基金奨学金
こちらも先ほどと同じ一般財団法人共立国際交流奨学財団が運営していますが、株式会社共立メンテナンスの奨学基金を財源としていることが異なります。
共立国際交流奨学財団奨学金に比べて支給される金額は低く支給期間も短いのですが、募集資格は「アジア限定」、選考は「書類のみ」とゆるやかであることに加えて、日本語学校が対象に含まれており、募集人数が多いことが大きな特徴です。
応募手順は共立国際交流奨学財団奨学金と同一であり、採用時にどちらの奨学金種別を適用するかは財団が決定します。応募手続きは応募を検討される方は、今年度の募集要項とご自身が在籍する学校が指定校かどうかを確認の上、学校の学務課などにご相談ください。
【奨学金プログラムの内容】
・月額6万円を、採用が決定した年の4月から1年間支給
ただし、年2回の現況報告書(各800字以内)の提出は必須
【2021年度奨学生募集要項】
この内容は前回実施時の内容です。今年度は2021年11月上旬から募集開始の予定ですので、応募を検討される際は必ずホームページから今年度の募集要項を確認してください。
①募集スケジュール:2020年10月19日~2021年1月29日
②応募資格:
・外務省ホームページ内の国・地域区分「アジア」から来日している私費留学生(もちろん中国は含まれています)
③選考方法:書類審査のみ
④採用決定:2021年3月中旬 結果を学校担当者に郵送し、採用者を財団ホームページで公開
⑤募集人数:35名程度
⑥申込方法:指定校である学校を通じて応募。個人応募はできません。
2021年度の選考結果については、応募者数は非公表ですが合格者数と氏名は公開されています。大学13名・専門学校6名・日本語学校6名が奨学生となっており、中国人も3名採用されています。
共立メンテナンス奨学基金奨学金ホームページ
3.平和中島財団 外国人留学生奨学金
公益財団法人平和中島財団は、国際平和と社会の発展のために貢献することを目的として、日本人留学生および外国人留学生に対する奨学援助や国際交流支援を行っています。
対象は大学のみですが指定校制ではないため、通信教育課程のみの学校を除く全国の国公私立大学からの申し込みが可能です。指導教員の推薦書が必要なため、個人での申し込みはできませんが、選考も書類のみで行われます。応募を検討される方は、学校内で奨学金制度を担当している学務課などにご相談ください。
【奨学金プログラムの内容】
・月額10万円を、採用が決定した年の4月から1年間支給
ただし、誓約書、在学証明書、成績証明書(毎学期終了後)および生活状況報告書(3カ月毎)の提出必須
【2021年度奨学生募集要項】
この内容は前回実施時の内容です。今年度は2021年9月上旬から募集開始、8月下旬に各大学に募集要項等配布予定とのことですので、応募を検討される際は必ず在籍する大学に今年度の募集要項をお問い合わせください。
①募集スケジュール:2020年9月1日~2020年10月31日
②応募資格:
・応募時の翌年4月に応募時と同じ大学の正規課程に在籍予定のもの
③選考方法:書類審査のみ
④採用決定:2021年3月中に結果を大学に通知
⑤募集人数:学部学生40名、大学院学生40名
⑥申込方法:応募者は、応募書類を在籍大学に提出し申し込む。在籍大学は応募者の中から学部学生・大学院学生各1名を財団に推薦する。
前回の2021年度募集時には、学部学生324名、大学院学生256名が応募して各40名が奨学生として採用されています。
平和中島財団奨学金ホームページ
奨学金を受給する奨学生には、行事参加や定期的なレポート提出など、必ず何らかの義務が発生します。ただ、それを差し引いても学費や生活費の負担が多少楽になり、留学の本来目的である勉学に専念できる環境が得られることはとても大きなメリットと言えます。
今までは「奨学金の応募なんて、ハードル高いので自分は無理」と考えていた方も、「これならチャレンジできるかも」と思ったのではないでしょうか。まずは行動を起こすことが重要です。留学生のみなさんが日本での勉学により、大きな成果を得ることを心から期待しています。