さて、東京23区を一つずつ紹介してきたこのコーナーもいよいよ最終回となりました。最後となる今回は、港区のご紹介です。
港区といえば、六本木ヒルズや東京タワーが有名ですね。港区は、23区の中でもトップクラスに家賃相場の高いエリアです。
東京のオフィス街の中心でもあり、青山や表参道、赤坂などの商業地域や六本木などの歓楽街の他、湾岸には汐留やお台場などの大規模開発地域もあり、麻布や広尾、白金台などの高級住宅街もある場所です。
そのため、住みたい街選びとしてはあまり参考にはならないかもしれませんが、「港区ってどんなところなの?」という興味を持って読んでいただければお楽しみいただけると思います。2022年11月1日現在、港区には10,447人の外国人が居住しており、外国人比率は約7%という高めの構成になっています。国別では、中国人(約24%)、韓国人(約17%)、アメリカ人(約14%)の順となっています。
それでは、さっそく港区とおすすめの街の情報を紹介していきましょう。
区の概要
港区は東京23区の南東部に位置しており、総人口は149,473人(2022年11月1日時点)となっています。東側は東京湾に面しており、北側は千代田区と新宿区、中央区に接し、西側は渋谷区、南側は品川区、東側は江東区にそれぞれ隣接しています。
ビジネスの中心地だけあって交通アクセスはとても便利であり、JR山手線・京浜東北線・東海道本線・横須賀線・東海道新幹線、東京メトロ銀座線・丸の内線・日比谷線・千代田線・半蔵門線・南北線、都営浅草線・三田線・大江戸線、京急線、ゆりかもめ、東京モノレールなど多数の路線が乗り入れ、複雑に交差しています。
区内には、中国大使館を含む多くの大使館やインターナショナルスクール、外資系企業があることもあり、外国人比率が高く120ヵ国以上の国籍の外国人住民がいることも大きな特徴の一つです。そのため、周辺には外国人向けの賃貸住宅も多いのですが、家賃も物価もかなり高いので決して住みやすい場所とは言えません…。
港区には、名前のついている坂が多いのも特徴であり、景色にちなんだ坂(潮見坂、富士見坂)や形状にちなんだ坂(薬研坂、雁木坂)、昔あった神社や武家屋敷にちなんだ坂(氷川坂、鳥居坂)など80以上もの坂があります。
またオフィスビルや多い立地ではありますが、桜の名所が多いことでも有名で、旧芝離宮恩賜庭園や増上寺、六本木さくら坂や青山霊園などには、季節になると多くの人が花見に訪れています。
家賃相場
家賃相場1R:13万円~、1LDK、2DK:20万円~
港区には分譲マンションやタワーマンションが多く、日本のなかでも資産価値が高いエリアなので、このような家賃相場になっていると考えられます。
とくに1LDK以上のカップルや夫婦、家族で住む広さのお部屋になると家賃相場が格段に上がっているという特徴があります。
一方で、1Rなど単身者向けの場合、家賃相場自体は高いものの、1LDK以上の間取りに比べて家賃の上昇幅は少ないです。
区役所と外国人支援
港区役所ホームページは、世界で使われている108言語に対応しています。区役所ホームページの右上部に表示されている「Foreign Launguages 言語をかえる」という部分をクリックすると、よく使われている英語・中国語・韓国語の3つが最初に表示されますので、その中の「簡体中文」をクリックすればページ自体が中国語で表示されます。
区役所3階の304窓口にて、外国人の生活相談を受けています。
英語対応が可能ですが、中国語の場合はタブレットを使った通訳で対応してくれます。
【対応時間】月曜日~金曜日(午前9時~12時・午後1時~5時)
おすすめの街はここ!
港区は一般の方向けの住居が少なく、家賃相場も高いエリアです。そのため、今回ご紹介する「おすすめの街」は、「強いて言えば…」というレベルのおすすめ度になります。
田町
最寄駅はJR山手線・京浜東北線の田町駅です。すぐ近くに都営三田線・浅草線の三田駅があるので行先に応じて路線を使い分けることができます。浅草線は羽田空港・成田空港にも直通で行けるので帰国や旅行の際にも便利です。また電車の他に、五反田駅、渋谷駅、六本木ヒルズ方面、お台場方面などへ向かうバスも出ています。
駅周辺はオフィスビルが立ち並んでいますが、駅の三田側には慶応義塾大学などの学校が集まっていることもあり、学生向けの飲食街が並ぶ商店街があります。駅から大学に向かう「慶応仲通り商店街」には居酒屋チェーン店や個人店が立ち並んでおり、昼も夜も外食には困りません。また、大きなスーパーはありませんが、マルエツプチやまいばすけっとなどの小規模スーパーで食料品は問題なく買い物することができます。
芝浦口側には東京湾と結ぶ運河が流れており、小型船が係留されている姿を見ることができます。このエリアには大規模な高層マンションがたくさん建てられており、ファミリー層の流入で人口がどんどん増えています。
港区の中では比較的家賃相場は低く、三田側には一人暮らし用の賃貸マンションも多いのですが、大企業や学校があるため朝夕の駅はかなり混雑します。治安も良く若い女性の一人暮らしも問題ありませんが、物価は決して安い方ではありませんので自炊派の方には厳しいかもしれません。
赤羽橋
最寄駅は、都営大江戸線の赤羽橋駅です。新宿駅までは直通で約15分の距離にあり、他路線の乗り入れはありませんが、徒歩7分で都営三田線の芝公園駅、徒歩9分で南北線が乗り入れている麻布十番駅、徒歩13分で日比谷線の神谷町に行くことができるので便利です。
駅の赤羽橋口側には、すぐ近くに「東京タワー」や増上寺を中心に整備されている「芝公園」があります。環境がいいので散歩やジョギングを楽しむ地域住民が多く訪れています。西側には個人商店が充実している「東麻布商店街」があり、食事や買い物を楽しむことができます。
また駅の南側には大きな病院が2つあるのもこのエリアの特徴です。「東京都済生会中央病院」と「国際医療福祉大学三田病院」はいずれも大規模総合病院であり、急に体調が悪くなった時にも安心です。
駅周辺には成城石井やマルエツプチ、まいばすけっと等のスーパーがあるので日常の買い物には困りませんし、「日進ワールドデリカテッセン」という世界中の食材を集めた珍しいスーパーもあります。
東麻布という立地は高級住宅街としても有名であり周辺には大使館も多いので、治安がいいのもこの街の特徴です。マンションの高層階に住めば、夜にはライトアップした東京タワーを毎日眺めることもできますよ。
麻布十番
最寄駅は、都営大江戸線・東京メトロ南北線の麻布十番駅です。新宿、渋谷には10分ちょっとで行くことができますし、六本木には歩いて13分の距離にあります。またバス路線も充実していて、渋谷や六本木ヒルズ、新橋などへのアクセスも便利です。
麻布十番は閑静な住宅街で、昔から住んでいる人たちと高層マンションに住んでいる人たちが混在しています。駅前から六本木方面に続く「麻布十番商店街」にある店には老舗の有名店も多く、300店舗以上あるお店では必要なものをほぼ揃えることができます。
また徒歩圏には地元から愛されているスーパー「ナニワヤ」、フランス発のオーガニックスーパー「ビオセボン」、24時間営業の「成城石井」、朝3時までやっている「ダイエー」や、野菜と果物が手頃な値段で買える「びっくり屋」など、様々なスーパーが充実しています。
周辺には大使館があり、芸能人も多く住む麻布十番は超高級住宅街として有名ですが、普段の買い物ができる庶民的な店も多く、とても住みやすい街です。外国人が多く、国際色豊かなお店も多いので日常の生活にもいろいろ刺激がありますよ。単身者向けのおしゃれなマンションも多く建築されて、30代〜40代といった単身世帯層が増えているようです。
まとめ
今回は港区の概要とおすすめの街3選をご紹介しました。
オフィス街が中心であり、住民も高級住宅街やタワーマンションばかりに住んでいるイメージのある港区は、やはり家賃相場もかなり高く生活必需品にもお金がかかるので、お金に余裕がないと住んだとしても日々の生活を十分に楽しむことは難しいと思います。
港区にある品川・田町駅間に「高輪ゲートウェイ駅」周辺も開発中であり、新たな都市計画によってはさらに発展しそうですが、東京生活を適度に楽しむなら港区よりもその周辺で家賃相場の安い地域を探すことをおすすめします!
さて今回で東京23区の紹介が終わりましたので、次回からは東京23区の周辺市をご紹介していきます。周辺市といっても侮れない魅力いっぱいのエリアがたくさんありますので、ぜひ楽しみにしてお待ちください!