さて今回は、葛飾区のご紹介です。古くはセルロイド産業の中心地で、おもちゃ製造などの町工場が密集していた葛飾区は今も庶民的な下町気質を残した街が数多く残っており、23区の中では家賃相場が最安レベルにあり、物価も安く、住民の年齢層が高いことが特徴です。
街としては、マンガの「こちら葛飾区亀有公園前派出所」で知られる亀有や映画「男はつらいよ」の舞台となった柴又が有名ですが、区内には成田空港や羽田空港に乗り換え無しで行ける京成線が通っているので、沿線には外国人の方も多く住んでいます。
2022年7月1日現在、葛飾区には約23,000人の外国人が居住しています。国別では、中国人(約48%)、韓国人(約13%)、フィリピン人(約7%)の順に割合が多いです。また葛飾区は、北京市豊台区と友好都市の関係にあり、1985年から今も交流を続けています。
ではさっそく葛飾区とおすすめの街の情報を紹介していきましょう。
区の概要
葛飾区の総人口は463,600人(2022年7月1日時点)であり、地理的には23区内の北東に位置していて、北側は足立区、南は江戸川区、西は荒川区と隣接しており、埼玉県八潮市や三郷市、千葉県松戸市とも接しています。区内には荒川をはじめ、中川、新中川、江戸川が流れており、ほぼ全域が海抜ゼロメートル地帯となっており、坂道の少ない平坦な地形になっています。そのため、水害リスクの高い地域としても有名です。
鉄道路線は区内を横断している京成本線のほか、JR常磐線・総武本線が通っています。また京成線は、青砥駅からは分かれる京成押上線が都営浅草線や京浜急行線に乗り入れていたり、京成高砂駅には京成金町線が分岐していたり、北総線が乗り入れたりと、様々な方面に移動することもできます。成田空港にも羽田空港にも乗り換え無しで行ける京成線は、帰国や旅行の際にもとても便利です。
区内には大きなターミナル駅は無く、昔ながらの下町の住宅街エリアがほとんどです。昼間から何軒もの店をはしごして酒が飲める立石駅の駅前は下町呑みの聖地として有名で、遠くからの人も訪れるほどです。
川沿いには河川敷の運動場や公園も整備されており、区の北部にある都立水元公園は規模も大きく、四季折々の花も美しいことから多くの市民でにぎわっています。また今年は中止となりましたが毎年4月に開催される「柴又さくらまつり」や、例年は7月に開催される「葛飾納涼花火大会」(今年は秋の実施に向けて調整中)には、区外からの観光客も大勢集まります。
家賃相場
家賃相場1R:6万円~、1LDK、2DK:8万円~
区役所と外国人支援
ちょっとわかりにくいのですが、葛飾区役所ホームページも英語、中国語(簡体・繁体)、韓国語に対応しています。区役所ホームページの右下に小さく表示されている「日本語」という文字をクリックすると言語が選択できますので、「中文(簡体)」を選んでクリックしてください。
中国語による外国人生活相談については、以下の内容にて対応しています。
日時:月曜日の12:30-17:00 (月曜日が祝日の場合は翌火曜日に実施)
場所:区役所2F区民相談室(16:30までに電話要(03-5654-8617))
形式:対面相談、電話相談、オンライン相談が選択できます。
おすすめの街はここ!
青砥
最寄駅は、京成線青砥駅です。ここは何といっても交通アクセスが便利であり、上野と成田空港を結ぶ京成本線と押上や浅草、東銀座や品川、羽田空港、横浜などを結ぶ都営浅草線・京急線に乗り入れている京成押上線が利用できるので、どこに行くにも便利です。特に空港を利用する機会の多い外国人には乗り換え不要で移動できるのでとてもおすすめな街です。
その上、品川方面に行く都営浅草線接続の京成線の始発駅でもあるので、朝の通勤・通学時間帯もすこし早めにホームに行けば座って楽に移動することもできます。23区内で満員電車で無理やり乗り降りすることもなく、始発電車に座って乗ることができる駅は超貴重なんです。
葛飾区自体がすこし地味なイメージがあるせいか、都内にしては家賃が安く、物価も安いです。遅くまで営業しているスーパーもあり、便利に生活できるので、都内屈指の穴場の街と言えます。駅周辺は、都営住宅の団地や戸建住宅が中心の閑静な住宅街です。
一帯が平坦な地形のため、自転車があれば最寄駅の立石やお花茶屋、亀有などにもすぐ行くことができます。買い物や飲食のお店の選択肢がぐっと広がりますよ。
亀有
最寄駅はJR常磐線の亀有駅です。駅前に複数の商店街や大型スーパー、大規模ショッピングセンターがあり、駅周辺でほとんどの買い物や飲食をすませることができてしまう便利さが特徴です。
駅南口から徒歩3分の場所にある「亀有銀座商店街(ゆうろーど商店街)」には、青果店や鮮魚店、和菓子屋などの個人商店が立ち並んでおり、毎日の食材を安く買い物することができます。また、駅前にはイトーヨーカドーがあり、テナントとして家具のニトリや家電のノジマなどの店舗もあります。その近くには約130店舗もの専門店が入居する大規模商業施設「アリオ亀有」があり、イトーヨーカドーや数多くの飲食店や専門店のほか、映画館も併設されています。
常磐線は東京メトロ千代田線と直通運転しているため、大手町へも乗り換え無しで行けますが、新宿・渋谷・池袋などの都心の主要駅に行くには必ず乗り換えが必要です。また、通勤時間帯には駅や電車がとても混雑していることや、亀有駅には各駅停車しかとまらないため、移動に多少時間がかかってしまうことがマイナスポイントです。
ただ、下町気質で個人商店が多いため、街の人たちの人情味は厚く、物価は安い傾向にあります。環状七号線などの大通り沿いはマンションが立ち並んでいますが、駅から少し離れれば静かな住宅街になっていて、家賃の安い賃貸物件も多いです。
新小岩
最寄駅は、JR総武線・総武快速線新小岩駅です。東京駅には乗り換え無しで15分、新宿駅にも35分で到着できます。また、千葉や神奈川方面への移動も便利です。
駅前には、南口の西友や北口の業務スーパーをはじめ大小のスーパーが点在しており、南口には全長420m、約140店舗のお店が連なるルミエール商店街もあって、雨の日でも濡れることのないアーケードで日常の買い物や飲食を楽しむことができます。
外国人が多く住んでいるのがこの街の特徴であり、駅周辺では特にアジア系の外国人をたくさんをたくさん見かけます。商店街を歩いていても中国語、韓国語を耳にする機会が多いですし、コンビニやスーパー、その他の店員も外国人が多いので、日本語には自信のない方でも働きやすい場所が多いかもしれません。
総武線は千葉方面からの通勤・通学客が多く利用しているため、時間帯によってはかなりの混雑になります。また総武線は大きな川を渡るため強風に弱く、頻繁に遅延が起きることがあります。新小岩で利用できる鉄道路線はJRのみのため、これが遅れたり止まったりすると、移動することが困難になることには注意が必要です。
まとめ
今回は葛飾区の概要とおすすめの街3選をご紹介しました。
杉並区は、便利さの割には知名度が低く、23区の中ではかなり家賃も安めなので穴場の物件が探せる可能性が高い街です。川が多くて地盤の弱さや水害の心配はありますが、二、三年間の賃貸で住むなら、安くて便利な生活を楽しむ場所としては有力な候補になります。特に東京の東側でお部屋探しをする際には、ぜひ候補の1つにしてみてくださいね!