外国人の方が日本で部屋を借りる時には、言葉の問題や礼金・敷金などの初期費用の問題、申込手続きの複雑さ、保証会社の審査などで戸惑うことがたくさんあります。
特に、自国では身分証明書の提示と3ヵ月程度の家賃を前払いすればすぐに部屋に入居できるような国の人たちにとっては、「何でこんなに手続きが面倒くさいの?」と思ってしまいますよね。
そこでここでは、部屋を借りる時に提出する書類に記入する情報について、どんな情報が必要になるか説明していきます。この手続きに必要な情報はたくさんあるのですが、「外国人だから必要」という訳では無いんです。日本人でも同じ情報が必要なんです。
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申込時に必要になる情報(共通)
部屋を借りるときにまず必要になるのは申込書です。
申込書の書式は管理会社によって様々で、紙の書類だったりWeb入力だったりしますが、そこで求められる情報の種類はほとんど同じです。
学生、会社員、無職などの立場に関わらず必要となる情報は以下の通りです。
①契約者の氏名、住所
②年齢
③連絡先(電話番号、メールアドレス)
④身分証明書のコピーや写真(健康保険証、在留カードなど)
⑤緊急連絡先の氏名、住所、職業、電話番号、契約者との関係
「緊急連絡先」とは、緊急時に入居者と連絡がとれない場合に管理会社が連絡できる人です。滞納した家賃を肩代わりする責任を負う「連帯保証人」とは異なり、ただ電話連絡を受けるだけの人ですが、申込時には緊急連絡先になることを承諾しているかどうかの確認の電話が保証会社から入ります。
家賃の滞納や災害などの緊急事態にならなければ、緊急連絡先に電話がかかってくることはほぼありませんが、外国籍の方の場合には「日本人の緊急連絡先」を求められる場合が多いです。
学生の場合に必要になる追加情報
①~⑤の項目に加えて、学生の場合には、
・学生証のコピーや写真
が必要になります。
学校に入学前の場合には、合格通知書などのコピーや写真で代替します。
会社員や自営業の場合に必要になる追加情報
①~⑤の項目に加えて、会社員や自営業の場合には、
・勤務先名、住所、電話番号
・業種、従業員数、所属、勤続年数、雇用形態(正社員、契約社員など)
・年収、源泉徴収票のコピーや写真
・法人の場合には、登記簿謄本、納税証明書など
が必要になります。
無職の場合に必要になる追加情報
転職前で仕事探しの途中だったりすると、その時点では無職の方もいるかもしれません。その場合には、
・昨年度の年収、源泉徴収票のコピーや写真
・銀行預金残高がわかる通帳のコピーや写真
が必要になることがあります。
ただし、家賃が支払えるかどうかの審査において定期的な収入が無いことは大きなハンデとなりますので、審査は厳しめになります。
なお、必要となるこれらの追加情報は、物件の管理会社や審査の状況に応じて異なることがあります。
どうしてこんなに細かい情報が必要なの?
日本の賃貸契約は借り手の権利が強い
日本の法律では、普通契約の場合、入居者が居住の継続を希望する場合は正当な理由が無い限り契約の解除ができなかったり、家賃の滞納があってもすぐには入居者を強制的に追い出せないなど、借り手である入居者の権利が強くなっています。
そのため、大家さんや管理会社は入居時にたくさんの情報から申込者の身元をしっかり確認して、信頼できる人物かどうかを判断しています。
貸し手は保証人制度を使って事前にトラブルを回避しておきたい
大家さんが一番困るのは、入居者が家賃を払ってくれないことです。
そのため日本では、万一の場合に入居者に代わって滞納している家賃を払ってくれる連帯保証人をつけることを長らく申込時の必須条件としていました。
でも最近では、そんな重い責任を負う役割を担ってくれる人がいなくなり、特に外国籍の方にとってはそんな人を見つけるのは到底無理なので、その役割を担う保証会社を利用することが一般的となっています。
ただ、万一の時に未払い家賃を肩代わりする保証会社もビジネスなので、入居申込時には入居者の収入情報や勤務先、勤務年数などの情報を集めて、契約期間中の家賃の支払いに問題が無さそうかどうかを判断する必要があるのです。
個人情報はちゃんと管理されている?
申込時に必要な個人情報は、賃貸契約をスムーズに進めるために必要な要素です。不動産業者や大家さんは、賃貸契約上のリスクを最小限に抑えるために、個人の情報を適切に管理し、プライバシーを尊重する責任があります。
もちろん、同意のもとに提供された個人情報の取り扱いには、プライバシーポリシーへの同意や適切な情報保護対策の実施など、セキュリティとプライバシーの観点からの配慮が求められており、関係する不動産業者や大家さんは常に適切な管理を行っています。
まとめ
日本で部屋を借りる時、何種類もの書類にたくさんの情報を書き込み、署名するのはとても面倒ですよね。ただ、その理由が少しわかれば「仕方ないな」と思えることもあるかもしれません。
賃貸の申込は、一番早く申込書を管理会社に提出した人が優先して保証会社の審査に進むのが一般的です。もし気に入った部屋を見つけたなら、あらかじめ申込に必要な情報を揃えて内見に行き、「この部屋にしたい!」と思ったらすぐに申し込めるようにしておきましょう。
必要な情報を集めるために時間がかかり、申込が遅れてしまって誰かに先を越されてくやしい思いをせずにすみますよ。
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