部屋探し

外国人が部屋を借りる時の注意点や入居審査のポイントとは?

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毎年1月から3月までの期間は、4月から始まる新生活に向けて生活の拠点となる住まいを変える人が多く、一年中で最もたくさんの人が自分の住む新しい部屋を探す時期となります。

日本人でも地方から東京に上京する方は土地勘が無いのでいろいろ苦労するのですが、外国人の方もそもそも部屋の探し方や賃貸契約の方法などを知らない方がほとんどだと思います。

そこで今回は、外国人が日本で部屋を借りる時の注意点や入居審査のポイントについて詳しく説明していきます。

まずは、外国人が部屋を借りる時の注意点からみていきましょう。

外国人が部屋を借りる時の注意点

【申込時】

そもそも外国人入居可能物件が少ない

大家さん(物件所有者)や管理会社が外国語に対応できない等の理由により、外国人が入居可能な物件はまだまだ限られています。

そのため、物件サイトで気に入った部屋を見つけても、申込みができない場合も多いです。

物件情報に「外国人可」と記載されている場合もありますが、友だちや知り合いの外国人が入居している建物などが分かれば、そこに入居できる可能性は高くなります。

連帯保証人が必要

多くの国では「連帯保証人制度」がありませんが、日本では部屋を借りる時には国籍に関係なく連帯保証人を求めることがほとんどです。

連帯保証人は、家賃滞納やトラブルがあった場合などに部屋を借りている人に代わって返済・対応義務を負うことになるので責任が重いため、外国人が単身で日本に来ている場合には連帯保証人になってくれる人を見つけるのはとても難しいです。

連帯保証人を見つけられない場合には、外国人対応可能な「保証会社」を利用するか、連帯保証人を代行する「保証人代行サービス」を利用することもできますが、いずれの場合も別途費用が必要となります。

最近では国籍を問わず賃貸契約の際に、保証会社の利用を必須条件としている場合も多いのですが、保証会社を利用した場合でも別に連帯保証人を求められる場合もありますので注意が必要です。

ただ、数は多くありませんが「保証人不要」の賃貸物件もありますので、部屋探しの場合にはまずは「保証人不要の物件」を探してもらうのがよいかもしれません。

敷金・礼金のシステム

これも日本独特の慣習ですが、契約時に家賃とは別に大家さんに対する「礼金」と保証金に似た「敷金」の支払いが求められることが多いです。

「礼金」は大家さんに対する入居申込料のようなもの、「敷金」は退去時の原状回復のための預り金のようなものであり、それぞれ家賃の1~2ヵ月分が相場です。

築年数が古い物件などでは「礼金、敷金ともに無し」というものもありますので、初期費用を少なくしたい場合にはその条件で物件を探してみましょう。ただし、敷金が0円の場合でも、退去時にはクリーニング費用などが別途必要となりますのでご注意ください。

【退去時】

入居する前に説明されていても、その時には気にしていないことや覚えていないこともよくあります。退去時にもいくつか注意しておくべき点がありますので説明していきます。

退去時には事前連絡が必要

日本以外の国では、契約期間満了で自動的に契約が終了することが多いため、終了時期がくればそのまま退去できると思う方が多いのですが、日本では退去するには数カ月前に管理会社に対する事前連絡が必要ですし、何も言わないと契約は自動的に更新される場合がほとんどです。

何か月前に退去の連絡が必要なのかは契約によって異なりますので、入居契約時の内容をよく確認しておく必要があります。

契約更新時には更新料がかかる

例えば、最初に2年間の賃貸契約で入居した部屋に3年目以降も住み続ける場合、契約更新時に更新料の支払いが求められます。

地域や物件によっては無料の場合もありますが、多くは家賃1ヶ月分程度の金額が必要になります。

原状回復する必要がある

退去時には、一定程度の原状回復や部屋のクリーニングのため、退去者にその費用負担が求められます。退去時のクリーニング費用は入居時に前払いするケースも多いです。

「室内の目立つキズや汚れは入居時に最初からあったもの」として争いになる場合もあるので、もし内見時や入居時に気になるキズや汚れを見つけたら、写真を撮っておいたり不動産会社の人に確認をしておくほうが無難です。

敷金は全額返金されないことが多い

外国の保証金制度の場合は退去時に全額返金されますが、日本の敷金は原状回復やクリーニング費用などがそこから差し引かれるため、退去時に満額が返金されることはほとんどありません。

ペット禁止の部屋でペットを飼って部屋を傷めたり、禁煙なのにタバコを吸って部屋に臭いが染みついてしまったりした場合には、敷金だけでは原状回復費用が足りずに追加支払いが求められる場合もありますので注意が必要です。

入居審査のポイント

次に、外国人に対する入居審査のポイントを見ていきましょう。どんな点が審査に重要なのか、プラスになるのかがわかれば審査通過の可能性が高まりますよね。

ある程度日本語が話せる

「日本語がまったく話せないからといって入居審査に通らない」ということではありませんが、ある程度話せたほうが有利になります。

できれば、日常会話が話せたり、意思疎通ができる程度だとなお良いです。

万が一トラブルが起きた時でもしっかりと対処できますし、物件の説明や契約内容もしっかりと理解できるので大家さんや管理会社にも安心してもらいやすくなります。

支払能力がある

家賃を支払うのに十分な支払能力があるかどうかは、国籍を問わず重視されます。一般的には、家賃が手取り月収の30%以下であることが目安とされています。

不動産会社にきちんと家賃や光熱費を支払えると判断してもらうためには、安定した収入がある事を証明する必要があります。

それを証明するための就労証明書や在職証明書も必要になる場合がありますので準備しておくと良いです。

家賃の支払能力が証明できれば、金銭的なトラブルの可能性が低いと管理会社や大家さんに評価されます。

日本で会社に勤務している方は、勤務先に就労証明書と在職証明書を発行してもらい、管理者に提出して家賃を問題なく支払うことができる経済力を証明しましょう。

在留資格を提示する

不法滞在でないことを証明するために在留資格を提示する必要があります。

在留資格とは、入国管理局で発行されるもので、不動産会社によっては入居審査の時に求められます。

求められたらすぐに提示できるように、契約の時はしっかりと持参しておきましょう。

日本に住んでいた実績がある

以前、日本に住んでいた実績があると、入居審査に通りやすくなります。

外国人が日本で賃貸物件を借りにくい理由は、文化の違いや近隣住民とのトラブルがほとんどなので、日本に住んだことがあると「日本での生活マナーを理解している」と思われるため、比較的入居しやすくなります。

留学経験があったりホームステイ経験がある方は、事前にしっかりと伝えるようにしましょう。

外国人がたくさん住んでいるエリアを選ぶ

外国人が多いエリアを選ぶ事で入居審査が通りやすくなります。

外国人のために条件が緩くなっている事も多く、大家さんも外国人に対して慣れていて優しいので安心して生活ができます。

困った時でも、近所に同じ外国人が住んでいるとサポートしてくれる事もあります。

日本の生活に慣れるまでは、まずはこのようなエリアを選ぶのもおすすめです、

なかなか良い賃貸物件が見つからないという方は、参考にしてみてください。

大家さんが心配するポイント

最近は徐々に外国人の大家さんも増えてきていますが、今でも多くは日本人の高齢者です。外国人の居住に対して大家さんが不安に思っていることの代表例を3つご紹介します。

大家さんの不安を先に知っておけば、これらについて心配がいらないことを先に伝えることで印象を良くすることができるかもしれません。

言葉が通じない

外国語が話せる大家さんは少ないため、入居者の外国人とコミュニケーションがとれないことは大きな不安になります。お互いの文化の違いもわからず、会話もできないとなると、外国人の入居に対して躊躇してしまいがちになってしまいます。

騒音トラブル

久しぶりに会う仲間と大騒ぎ、自分の国の特別な日に友だちとパーティーを開くなど、ついやってしまうことがありますが、夜間の住宅街ではちょっとした騒音でも近隣の住民から苦情がくることがあります。

ゴミの捨て方

定められているゴミ出しの日を守らない、分別ルールを理解せず分別しないでそのままゴミ出しをしてしまうなどの場合も、近隣の住民から苦情が入ります。

外国に比べて日本はゴミの分別がとても細かいので、面倒でも地域のルールにしたがってゴミを分別して決められた曜日に出すようにしましょう。

転貸や多人数同居

契約者が勝手に他人に部屋を又貸ししてしまう、入居申込時の人数を超えて勝手に同居人を増やしてしまうケースがたまにあります。

契約時に申請している居住人数を超えることは厳密には契約違反になります。「部屋が無くて困っている友だちを助けているだけ」という理由は成立しませんので注意が必要です。

まとめ

今回は、外国人が部屋を借りる時の注意点や入居審査のポイントについて紹介しました。

合わせてご紹介した大家さんの心配事は、外国人に限った話ではありませんが、やはりお互いに言葉が通じないということが大きな壁になっています。

でも最近では翻訳アプリの精度も上がっているので、便利に会話できる手段も増えてきていますよね。

外国人の入居に対しては、遅ればせながら徐々に大家さんのマインドも不動産会社の受け入れ態勢も変わってきていますので、外国人のみなさんもいい部屋を見つけて、ぜひ日本での居住生活を楽しんでくださいね!

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