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【漢方・薬膳特集】生理痛にいい漢方薬

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さて、好評だった5/20掲載の「中国人のみなさんにもおすすめしたい漢方」はもうお読みいただけましたか?第二弾の今回も、漢方・薬膳検定、薬膳コーディネーター、中国漢方ライフアドバイザーの資格を持つライターの”紅生姜さん”にご寄稿していただいております。

生理痛にお悩みの方は、ぜひじっくりとお読みいただき、自分の症状に合った漢方薬を探してみてください。

生理痛は、国境や時代を超えて女性の悩みです。検査などで明らかに子宮やホルモンバランスに異常があるとわかる場合は、西洋医学に頼るほうが早いですが、原因がはっきりしない生理痛の場合、漢方薬が役に立ちます。また、漢方薬は西洋医学の薬と組み合わせることも可能です。

ここでは、漢方から見た体質別の生理痛の説明と、それぞれの体質に合わせた生理痛に良い漢方薬を紹介します。

生理痛が起きる体質4つ

生理痛が起きる体質は、漢方の考え方だと、主に4つあります。

①血虚(けっきょ)

②血瘀(けつお、瘀血ともいう)

③気滞(きたい)

④体の芯からの冷え(陽虚、ようきょ)

です。1つずつ詳しく説明していきます。

血虚

①の血虚とは、体に十分な血が足りないことを指します。単純に鉄分不足の貧血だけを指すのではなく、血液が含む栄養全般の不足、血液の総量の不足、血液が含むホルモンの不足なども指す広い考え方です。けがや出産による大量出血や、授乳による栄養の消費でもなります。めまいや立ちくらみ、髪や肌のパサつき、爪が薄く弱くなるなどが多いです。

血虚の生理痛では、生理後半にお腹が痛んだり、生理の時に下腹をさすると気持ちよかったりします。また、生理の出血量が少なかったり、出血した血の色が薄かったり、生理が遅れたりする事もあります。

血瘀

②の血瘀とは、血の巡りが悪いことを指します。目のくまや肌のしみ・くすみ、肩こり・頭痛などが起こっていることが多いです。舌を出してみると色が赤黒かったり、舌の裏の血管が太く盛り上がりすぎていたり、あざができやすかったり、足や下半身が特に冷えやすかったりなどもあります。

血瘀の生理痛では、生理前半に痛んだり、血のかたまりがでたり、血のかたまりが出ると生理痛が楽になりやすかったり、生理の血が黒ずんでいたりします。また、生理の時に下腹をさすると気持ち悪い事が多いです。

気滞

③の気滞とは、体の器官や内臓を動かす力(漢方では『気』と呼ぶ)の巡りがうまく行っていないことを指します。いらいらや落ち込み、怒りっぽさがあったり、眠りにくかったり、胸やのどがつかえたり、ため息が多かったり、お腹がガスで張っておならが出やすいなどが多いです。

気滞による生理痛は、生理前にイライラや落ち込み、乳房の張り、食欲の変化(甘いものをとてもたくさん食べすぎてしまうなど)がある事が多いです。生理周期が不安定(早く来たり遅く来たりで一定しない)ということもよくあります。

体の芯からの冷え(陽虚)

④の体の芯からの冷え(陽虚)は、寒さにあいすぎたり、体力が弱りすぎたり、年を取ったりなどで、体が熱を作る力が弱くなっていることを指します。手足だけでなく、全身が冷え、服に隠れているお腹や腰を触ってみても冷えていることが多いです。下痢が続くこともあります。

体の芯からの冷えによる生理痛は、お腹や腰が冷えている上、お腹や腰を温めると生理痛が少し楽になる事が多いです。出血量が多いけれど、出血した色を見ると薄く、生理周期も不安定だったりします。

生理痛に良い漢方薬

どの漢方薬も、基本的に、食前または食間(胃が空の時)に飲みます。1日2~3回飲む必要があります(回数は漢方薬のメーカーによって異なることが多いです)。生理痛に良い漢方は体質に合わせて本当にいろいろあるのですが、ここでは、一般の人が買えるもの(普通の薬局や楽天、Amazonなどの通販で手に入る漢方薬)に限ってまとめています。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):血虚で手足の冷えがあり体力がない場合

色白でむくみがち、手足が冷える人に合うことが多いとされている漢方薬で、有名な婦人薬です。いろいろな漢方薬メーカーが売り出していますが、ツムラかクラシエのものが手に入りやすいです。

血虚にいい生薬が2つ、血瘀にいい生薬が1つ、その他水分の代謝をよくして胃腸の動きを良くしたりむくみを良くしたりする生薬が複数含まれています。胎児を安定させる生薬が含まれており、安胎薬として妊娠中に使われることもある漢方薬です。

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桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):血瘀で体力が中くらいの場合

これも有名な婦人薬であり、いろいろな漢方メーカーが売り出していますが、やはりツムラかクラシエのものが手に入りやすいです。血瘀に良い生薬が2つ、その2つの生薬の働きを補助する生薬が3つ含まれています。妊娠中に飲むべきではない生薬が含まれているので、妊娠の可能性があったり、妊娠の希望があったりする場合は、飲む前に医師や薬剤師に相談してください。

漢方薬は飲む人の体力の強さによって種類を選ぶことが多いのですが、体力の程度は胃腸の強さで見るとわかりやすいです。胃腸が弱くなければ、桂枝茯苓丸を使ってみてください。

桂枝茯苓丸は、黒っぽい芯ができる吹き出物が多い人が飲むと、肌の調子が良くなることがあります。肌への効果も期待するなら、肌に良い生薬が足されている枝茯苓丸加薏苡仁を飲んでみるのもおすすめです。

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桃核承気湯(とうかくじょうきとう):血瘀かつ、体力があり、のぼせて便秘しがちで、イライラや高血圧がある場合

体が丈夫で、イライラがあり、便秘がある人向けの漢方薬です。ツムラから出ているものが手に入りやすいでしょう。血瘀に良い生薬が3つ、便秘に良い生薬が2つ含まれています。

妊娠中に飲むべきではない生薬が含まれているので、妊娠の可能性があったり、妊娠の希望があったりする場合は、飲む前に医師や薬剤師に相談してください。また、授乳中の時に飲むと赤ちゃんが下痢をすることがある生薬も含まれているので、授乳している場合は、やはり飲む前に医師や薬剤師に相談してください。

体力がある人向けの漢方薬なので、胃腸が強く便秘があるなら、桂枝茯苓丸ではなくて桃核承気湯を試すといいでしょう。

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加味逍遙散(かみしょうようさん):気滞が主で血虚や血瘀もある場合

体力はそれほど弱くなく、ストレスがたまりがちで、生理前にイライラしたり落ち込んだり、体調が悪くなったりする人向けの漢方薬です。有名な婦人薬なので、いろいろな漢方薬メーカーから出ていますが、ツムラかクラシエのものが手に入りやすいです。

主に、気滞に良い生薬を含んでいますが、血虚に良い生薬、血瘀に良い生薬もバランスよく含んでいます。妊娠中に飲むべきではない生薬が含まれているので、妊娠の可能性があったり、妊娠の希望があったりする場合は、飲む前に医師や薬剤師に相談してください。

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当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう):体の芯から冷えている場合

本来は当帰四逆湯という漢方薬がいいのですが、日本では市販されていないので、生薬の構成が似ている当帰四逆加呉茱萸生姜湯を紹介します。当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、体を温めて巡りをよくする生薬を多く使った当帰四逆湯に、胃を温める生薬を2つ足したものです。手足の冷えやしもやけ、冷えからくる頭痛、腰痛、下腹の痛みにも良いです。

妊娠中に飲むべきではない生薬が含まれているので、妊娠の可能性があったり、妊娠の希望があったりする場合は、飲む前に医師や薬剤師に相談してください。

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温経湯(うんけいとう):血虚と血瘀で体力がなく体の芯の冷えもある場合

一般的に、生理不順によく使われる漢方薬です。唇や肌がカサついた人に合うことが多いとされています。体を温める生薬を中心に、血虚に良い生薬、血瘀に良い生薬、体力を補う生薬、潤いを補う生薬がバランスよく含まれています。妊娠中に飲むべきではない生薬が含まれているので、妊娠の可能性があったり、妊娠の希望があったりする場合は、飲む前に医師や薬剤師に相談してください。

肌が乾燥して荒れていると、肌がうるおって調子が良くなることがあります。また、不正出血(生理の時以外に出血すること)にも良い薬とされています。

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まとめ

検査しても明確な原因がわからない生理痛には漢方薬がおすすめです。漢方薬は西洋医学の薬と組み合わせることもできます。

生理痛の原因となる体質には主に4つあります。生理痛に良い漢方薬は、体質に合わせていろいろなものがあります。

生理痛に良い漢方薬には、妊娠中・授乳中に飲むべきでない生薬が含まれていることが多いので、妊娠の可能性があったり、妊娠を希望していたり、授乳中だったりする時は、飲む前に医師や薬剤師に相談しましょう。

次回は「生理痛にいい薬膳」の掲載を予定しています。

生理痛に悩む方の体質改善に効く食材や、その食材を使った料理のレシピなどもご紹介していく予定です。楽しみにしてくださいね。

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